sakura_dokusho9’s diary

読書のことなど

『透明な夜の香り』


千早茜 著/集英社文庫

あらすじ
元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。
そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。
どんな香りでも作り出せる朔のもとには、風変わりな依頼が次々と届けられる。
一香は、人並外れた嗅覚を持つ朔が、それゆえに深い孤独を抱えていることに気が付き___。


とても静かな物語でした。
舞台は、市街地から離れた高台にある洋館。
敷地はきれいに整えられ、庭にはたくさんの花とハーブ。
そのハーブを使って、一香は朔さんのレシピを見ながら料理をする。

この料理のシーンがとても丁寧に描かれていて、めちゃくちゃおいしそうなんです。
カリカリのトーストを二枚、焦げ目の入ったアスパラガスに目玉焼きをのせ、タイムで香りづけした焼きトマトを添える。」(P78)とか・・・!
何度か料理のシーンは出てくるのですが、どれもよだれが。

キャラクターもみんな個性があって魅力的。
私は「紺色の声」の朔さんがいいなぁ

物語のどのシーンからも「香り」がしてくるようで、とても不思議な読書体験でした。
人並外れた嗅覚も、いいことばかりではなんだな。

香りは永遠に記憶される___

透明な夜の香り (集英社文庫(日本)) [ 千早 茜 ]

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感想(1件)